資金移動業者との口座連携に係る特約
本特約は、提携サービス基本規定に付随する規定として、PayPay銀行株式会社(以下「当社」という。)と資金移動業者が口座連携を行う場合の取り扱いについて定めることを目的とする。
提携サービス基本規定の各条項と本特約が矛盾、抵触する場合は、本特約が優先して適用される。
資金移動業者に該当するお客さまが、当社から、提携サービスのうち口座連携サービスの提供を受ける場合、本特則の定めを確認し、同意したものとして取り扱う。
なお、本特約に定めのない事項については、当社の他の規定、規則等すべて当社の定めるところによるものとし、それらはインターネットホームページへの掲示により告知するものとする。
第1条(定義)
本規定における用語の定義は、次の各号に定めるとおりとする。
- (1)資金移動業者
資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)に定める登録を受けて資金移動業を営む者をいう。 - (2)口座連携
資金移動業者が当社の提供するXML口座振替サービスおよび口座振替リアルタイム契約サービス等の本銀行機能を用いて、当該資金移動業者が提供するサービスの利用者に、資金のチャージ機能を提供することをいう。 - (3)本銀行機能
当社がお客さまに提供する、XML口座振替サービスおよび口座振替リアルタイム契約サービス等の口座連携のための機能をいう。 - (4)本提携先サービス
口座連携を行う資金移動業者が、資金移動業者の利用者に提供するサービスをいう。 - (5)利用者
資金移動業者が提供する各サービスを利用している者をいう。 - (6)不正利用
第三者による不正なログイン、口座振替契約時の認証情報の不正取得およびそれらに伴う不正な資金の移動をいう。 - (7)被害者
本提携先サービスの不正利用によって預金の不正払戻の被害を被った当社の預金者(利用者であるか否かを問わない。)をいう。
第2条(利用申込)
- 1.関連法令等に定める登録を完了させたお客さまが、本銀行機能の利用を申し込むことができる。
- 2.お客さまは、本銀行機能の利用にあたり、銀行法に関する法律等の法令その他監督官庁から発出されたガイドライン等を遵守しなければならない。
第3条(不正防止、利用者等の保護等)
- 1.当社および資金移動業者は、口座連携に係る不正取引を防止し、利用者等の保護を図るため、それぞれ本銀行機能および本提携先サービスに適用される法令、ガイドライン等を遵守する。
- 2.資金移動業者は、本提携先サービスに関する利用者および被害者からの苦情、問い合わせ等に対応するため、本銀行機能を利用した本提携サービスを利用者に提供する前までに、問い合わせ窓口を設置し、当社に通知する。あわせて、問い合わせ窓口の情報を利用者に提供し、利用者外に周知する。本提携先サービスに関して利用者および被害者から苦情、問い合わせ等が寄せられたときは、資金移動業者は適切かつ迅速に対応するものとする。資金移動業者は、利用者および被害者からの苦情、問い合わせ等に対応するうえで必要な当社の協力を求めることができるものとする。
- 3.当社は、本銀行機能に関する当社の預金者からの苦情、問い合わせ等に対応するため、問い合わせ窓口を設置し、被害者からの苦情、問い合わせ等を受け付けるものとする。当社は、被害者からの苦情、問い合わせ等に自ら適切かつ迅速に対応するものとするが、利用者である被害者からの苦情、問い合わせ等は資金移動業者に対応を引き継ぐことができるものとし、資金移動業者はかかる引き継ぎを受けた場合は適切かつ迅速に対応するものとする。当社は、被害者からの苦情、問い合わせ等に対応するうえで必要な資金移動業者の協力を求めることができるものとする。
- 4.当社および資金移動業者は、特定の被害者または一定の事象に係る苦情、問い合わせ等について、被害者の保護の観点で第2項および第3項の規定よりも適切な対応方法がある場合には、第2項および第3項の規定とは異なる扱いを当該特定の被害者または一定の事象に限って合意することができる。
- 5.当社および資金移動業者は、利用者または被害者からの苦情、問い合わせ等を受け付けた場合で、当該利用者または被害者が第5条に基づいて相手方から補償を受けられるものと判断する場合には、同条に基づいて補償を行う相手方と連携を行うものとする。
- 6.当社および資金移動業者は、利用者および被害者からの苦情、問い合わせ等の対応のために必要があるときは、相手方との情報共有に必要な利用者および被害者からの同意を得るものとする。当社および資金移動業者は、苦情、問い合わせ等の対応のために相手方から受領した情報を第8条に基づき秘密情報として管理する。
- 7.当社および資金移動業者は、自らが受け付けまたは引き継ぎを受けた本提携先サービスに関する利用者または被害者からの苦情、問い合わせ等を必要に応じて分析し、本提携先サービスに関して不正防止または利用者等の保護の観点から必要と判断した事項を相手方に通知し、必要に応じて相手方とともに発生原因の究明、改善措置、再発防止策を講じるものとする。当社および資金移動業者は、本提携先サービスまたは口座連携に関する利用者等の保護、セキュリティおよび顧客管理態勢に改善が必要な点がある場合、相手方に通知したうえで改善がされるまでの間口座連携を停止することができる。
- 8.資金移動業者は、他人になりすました本提携先サービスおよび口座連携の利用を防止するために必要となる不正検知および顧客管理を実施するものとする。
- 9.資金移動業者は、利用者本人の指図に基づく場合に限り振替依頼データを当社に送信するものとする。
- 10.資金移動業者は、資金移動業者を識別する情報を不正に使用されることのないように厳重に管理するものとする。当社は、資金移動業者を識別するための情報が含まれる振替依頼データを当社が受信した場合には資金移動業者からの振替依頼データであるものとして扱う。
第4条(不正利用発生時の対応)
- 1.当社および資金移動業者は、口座連携に関し、不正利用を認識した場合、直ちに相手方に報告するものとする。
- 2.当社および資金移動業者は、口座連携に関し、不正利用を認識した場合、相手方に対し、相手方と連携して情報収集にあたるため必要な情報の開示を求めることができ、求められた当事者は合理的かつ適正な範囲内でこれに応じるものとする(個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(以下「個人情報保護法」という。)第2条第1項に定義される個人情報をいう。以下同じ。)の提供に係る同意が必要な場合に当該同意が得られないことは開示に応じない正当な事由に該当するものとする。)。開示を受けた当事者は、当該情報を第8条に基づき秘密情報として管理する。
- 3.当社は、当社が本銀行機能を提供する資金移動業者以外の事業者(資金移動業者と同様または類似の事業を行う者に限り、以下「他事業者」という。)への本銀行機能の提供に関して認識した不正利用について、当該不正利用と同様の事案が口座連携に関して発生するおそれがあると判断した場合、当該不正利用の内容に応じて定期的にまたは随時、当該不正利用に関する情報(原則として個人情報を含めないものとする。ただし、当該不正利用の事案の解明や他の不正利用の防止等のために必要な場合には、個人情報保護法上認められる範囲内において、当該情報に個人情報を含めることができる。)を資金移動業者に提供するものとする。当社は、当該情報について秘密保持義務を他事業者に対して負っている場合には当該情報を提供する義務を負わないものとするが、本項に基づく情報の提供のために必要な他事業者との合意を行うよう合理的な努力を行うものとする。資金移動業者は、本項に基づき提供を受けた情報を第8条に基づき秘密情報として管理する。
- 4.資金移動業者は、本提携先サービスに関して当社以外の金融機関(偽造カード等および盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻等からの預貯金者の保護等に関する法律(平成17年法律第94号)第2条第1項に定義される金融機関をいう。)(以下「他銀行等」という。)から本銀行機能と同種のサービス(以下「他銀行等サービス」という。)の提供を受けている場合に他銀行等サービスの提供を受けた本提携先サービスの提供に関して認識した不正利用について、当該不正利用と同様の事案が口座連携に関して発生するおそれがあると判断した場合、当該不正利用の内容に応じて定期的にまたは随時、当該不正利用に関する情報(原則として個人情報を含めないものとする。ただし、当該不正利用の事案の解明や他の不正利用の防止等のために必要な場合には、個人情報保護法上認められる範囲内において、当該情報に個人情報を含めることができる。)を当社に提供するものとする。資金移動業者は、当該情報について秘密保持義務を他銀行等に対して負っている場合には当該情報を提供する義務を負わないものとするが、本項に基づく情報の提供のために必要な他銀行等との合意を行うよう合理的な努力を行うものとする。当社は、本項に基づき提供を受けた情報を第8条に基づき秘密情報として管理する。
- 5.当社および資金移動業者は、不正利用の発生時に原因の調査等を行うことができるよう必要なアクセスログの記録および保存を行う。
第5条(利用者への補償)
- 1.資金移動業者は、本提携先サービスに関して利用者に損害が生じたときは、速やかにその原因を究明し、本提携先サービスの利用規約、被害補償規定またはそれらに準ずる規定にしたがい、利用者に生じた損害を賠償または補償する。なお、資金移動業者は、利用者にとって以下よりも不利ではない条件および基準において利用者への補償を行うものとする。
- (1)補償条件
- ア.利用者に求める条件:
- (ア)当社または資金移動業者への速やかな通知、資金移動業者への十分な説明、および捜査当局への被害事実等の事情説明(真摯な協力)がなされること
- (イ)虚偽の説明を行っていないこと
- イ.その他:
親族等による払い戻しの場合、および戦争・暴動等の社会秩序の混乱に乗じてなされた場合でないこと
- ア.利用者に求める条件:
- (2)補償基準:
利用者が無過失の場合は全額補償し、利用者に過失(重過失を含む。)がある場合には、補償減額または全く補償しない場合も含め、個別対応とする。
- (1)補償条件
- 2.資金移動業者は、前項に基づき本提携先サービスに関して利用者に生じた損害を利用者に対して賠償または補償した場合であって、当該損害が専ら当社の責めに帰すべき事由によるものであることを疎明したときは、資金移動業者が利用者に賠償または補償した損害を当社に求償することができる。また、資金移動業者は、前項に基づき本提携先サービスに関して利用者に生じた損害を利用者に対して賠償または補償した場合であって、当該損害が当社および資金移動業者双方の責めに帰すべき事由によるものであることを疎明したときは、当社に対し双方の責めに帰すべき事由の大きさを考慮して、誠実に協議のうえ当社と合意した額を求償することができる。
- 3.当社は、本銀行機能に関して利用者に生じた損害を利用者に対して賠償もしくは補償した場合、またはやむを得ないと客観的かつ合理的な事由により判断して本提携先サービスに関して利用者に生じた損害を利用者に対して賠償もしくは補償した場合、以下のとおり資金移動業者に求償できる。
- (1)当該損害が当社の責めに帰すべき事由以外の事由によるものであることを当社が疎明したときまたはいかなる事由により生じたかが明らかではないときは、当社が利用者に賠償または補償した損害を資金移動業者に求償することができる。
- (2)当該損害が当社および資金移動業者双方の責めに帰すべき事由によるものであることを当社が疎明したときは、資金移動業者に対し双方の責めに帰すべき事由の大きさを考慮して、誠実に協議のうえ資金移動業者と合意した額を求償することができる。
- 4.当社および資金移動業者は、利用者に生じた損害の金額、原因の究明、各当事者の帰責事由の有無を確定させるために必要な協力を相手方に求めることができるものとし、当該相手方は実務上可能な範囲において協力するものとする。
第5条の2(利用者ではない被害者への補償)
- 1.当社または資金移動業者のうち当事者間での合意により定める者(以下、本条において「一次補償者」といい、一次補償者ではない当事者を「他方当事者」という。)は、本提携先サービスに関して利用者ではない被害者に生じた損害について、速やかにその原因を究明し、一次補償者が定める被害補償規定またはそれに準ずる規定にしたがい、利用者ではない被害者に生じた損害を賠償または補償する。なお、一次補償者は、利用者ではない被害者にとって以下よりも不利ではない条件および基準において利用者ではない被害者への補償を行うものとする。
- (1)補償条件
- ア.利用者ではない被害者に求める条件:
- (ア)当社または資金移動業者への速やかな通知、資金移動業者への十分な説明、および捜査当局への被害事実等の事情説明がなされること
- (イ)虚偽の説明を行っていないこと
- イ.その他:
親族等による払い戻しの場合、および戦争・暴動等の社会秩序の混乱に乗じてなされた場合でないこと
- ア.利用者ではない被害者に求める条件:
- (2)補償基準:
利用者ではない被害者が無過失の場合は全額補償し、利用者ではない被害者に過失(重過失を含む。)がある場合には、補償減額または全く補償しない場合も含め、個別対応とする。
- (1)補償条件
- 2.当社および資金移動業者は、一次補償者をいずれの当事者とするか、一次補償者から他方当事者への求償等について別途合意するものとする。
- 3.当社および資金移動業者は、利用者ではない被害者に生じた損害の金額、原因の究明、各当事者の帰責事由の有無を確定させるために必要な協力を相手方に求めることができるものとし、当該相手方は実務上可能な範囲において協力するものとする。
第6条(継続的な情報提供協力)
- 1.当社は、定期的にまたは必要に応じて、資金移動業者に対し、次の目的のために必要となる報告または関連資料の提出を求めることができる。要請を受けた資金移動業者は、実務上可能な範囲内で速やかにこれに応じるものとする。
- (1)口座連携を含む本提携先サービス全体に係るリスク評価
- (2)利用者等の保護(被害補償のための体制や資金面の状況を含む。以下同じ。)
- (3)セキュリティ(認証方法を含む。以下同じ。)の確認
- (4)顧客管理態勢の確認(アカウント開設時の本人確認プロセスおよび取引時確認、ならびにマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止を含む。以下同じ。)
- (5)マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止対策をはじめとする金融機関等に求められる義務の履行
- 2.資金移動業者は、定期的にまたは必要に応じて、当社に対し、次の目的のために必要となる報告または関連資料の提出を求めることができる。要請を受けた当社は、実務上可能な範囲内で速やかにこれに応じるものとする。
- (1)口座連携を含む本提携先サービス全体に係るリスク評価
- (2)本銀行機能に係る認証方法の確認
- 3.当社および資金移動業者は、前各項に基づき行うリスク評価や検証に係る作業について相手方に協力するものとする。
- 4.当社は、本銀行機能の内容に重要な影響のある変更(認証方法の変更はこれに該当するものとする。)を行おうとするときは、資金移動業者に対し、当該変更の内容を通知する。
- 5.資金移動業者は、利用者等の保護、セキュリティおよび顧客管理態勢に重要な影響のある変更(認証方法の変更、サービスまたはビジネスモデルに係る変更はこれに該当するものとする。)を行おうとするときは、当社に対し、当該変更の内容を通知するものとする。
第7条(免責)
- 1.資金移動業者は、利用者との間の本提携先サービスその他の取引について、本条に定めるものを除き、一切の責任を負うものとし、これに関して当社に生じた損害を補償する。ただし、当社の責に帰すべき事由がある場合はこの限りではない。
- 2.当社は、資金移動業者から受信した振替依頼データの正確性を確認する義務を負わないものとし、当該振替依頼データに誤りがあったとしても、資金移動業者は当該振替依頼データに基づいて責任を負うものとする。
第8条(秘密保持義務)
提携サービス基本規定の記載に加え、次のとおり取り決める。
- 1.秘密情報を受領した当事者は、次の各号に定める場合にのみ、秘密情報を第三者に開示または提供できる(以下、開示または提供を許諾された第三者を「第三受領者」という。)ものとする。
ただし、開示する秘密情報は、本特約履行のために客観的かつ合理的に必要な範囲の秘密情報に限る。また、受領者は、本特約における自己の義務と同等の義務を第三受領者に課すものとし、かつ、第三受領者の責めに帰すべき事由により生じた開示者の損害を賠償する責任を負うものとする。- (1)開示者の事前の書面等による承諾がある場合
- (2)弁護士、会計士等の法律上秘密保持義務を負う外部の専門家に提供または開示する場合
- 2.秘密情報を受領した当事者は、国内または海外の証券取引所もしくは自主規制機関等の規則による場合は、これらに従うために必要な限りにおいて、秘密情報を開示できる。ただし、この場合、開示を行った受領者は、法令等に反しない範囲で、開示した旨および開示内容を速やかに相手方に通知するものとする。
- 3.不正利用に関する秘密情報については、当社は第5条第4項および本条と同等の内容を合意している他事業者に対し、第5条第4項と同様の合意内容にしたがって本条と同等の合意内容の対象となることを条件として提供することができ、資金移動業者は第5条第5項および本条と同等の内容を合意している他銀行等に対し、第5条第5項と同様の合意内容にしたがって本条と同等の合意内容の対象となることを条件として提供することができる。
第9条(権利義務等の譲渡禁止)
当社および資金移動業者は、相手方の事前の書面等による承諾のない限り、本特約上の地位ならびに本特約によって生じる権利義務の全部もしくは一部を第三者に譲渡し、承継し、または担保に供してはならない。
ただし、当社は本銀行機能に係る事業の全部または一部を第三者に譲渡しまたは承継させる場合に本特約上の地位ならびに本特約によって生じる権利義務の全部を資金移動業者に通知したうえで譲渡または承継の対象とすることができ、資金移動業者は本提携先サービスに係る事業の全部または一部を当社が適当と認める第三者に譲渡しまたは承継させる場合に本特約上の地位ならびに本特約によって生じる権利義務の全部を当社に通知したうえで譲渡または承継の対象とすることができる。
第10条(本特約の変更)
- 1.本特約の各条項その他の条件は、金融情勢その他状況の変化等相応の事由があると認められる場合には、民法548条の4の規定に基づき、変更する。
- 2.前項の変更は、変更を行う旨、変更後の特約の内容、その効力発生時期を、インターネット、またはその他相当の方法で公表することにより周知する。
- 3.前二項の変更は、公表の際に定める適用開始日から適用されるものとし、公表の日から適用開始日までは変更の内容に応じて相当の期間をおくものとする。
以上
【2025年4月10日】